「こだわり」は良いか悪いかの問題ではありません。受け入れられるか受け入れられないかの問題です。
こだわりを持っている人は何となく真面目に物事に取り組んでいる印象があります。逆にこだわりがない人は大雑把でいい加減だというイメージを持たれています。
確かにこだわりを持つことによって大きな成功をつかむことがあります。自分の感性と技術を信じ、こだわりを持って取り組んできたシリコンバレーのIT創業者はその良い例でしょう。
一方、インターネットの黎明期にハード中心のモノづくりにこだわっていた日本の技術者も多くいました。皆さん真面目で熱心な技術者だったと思います。でもそのこだわりは正しかったのでしょうか?残念ながら結果をみると、ハードよりソフトにこだわりを持ったシリコンバレーの方に軍配が上がりました。
こだわりはその時代に合ったもの、その時代に受け入れられたものが評価されると言っても良いでしょう。
コロナ禍でいま飲食店の在り方が問われています。長期間の休業を経て店を再開にこぎつけたオーナーや店長さんらは失った売り上げを何とか取り戻そうとして必死です。私たちもできるだけの応援をしたいところです。
そんな中で「今まで以上に味にこだわってお客さんを満足させたい」という声を聴きます。でも私はちょっと違和感を感じてしまいます。
いまお客さんが店に一番こだわってほしいのはコロナ対策ではないでしょうか?味にこだわりたいと真っ先に言われると押しつけのように感じられます。いつの時代でも安全と安心が無ければ外で食事などしないのは当然です。
お店には「安心しておいでください。そして美味しい食事を堪能してください」と言ってもらいたいものです。
こだわりもちょっとずれた方向に向かうと逆効果になってしまいます。ずれたこだわりは単なる「自信過剰」「思い上がり」「自己満足」になってしまうからです。そして周りの人には大きな迷惑となってしまうのです。
私はこだわりを持っているという人は今一度、自分に問いかけてみてください。本当にそのこだわりは望まれれているのだろうかと……。