月: 2020年5月

就職不安

今回のコロナ禍で売り手市場だった就職状況は一変するでしょう。

今の大学4年生は企業側担当者と直接会えなくなったので、オンライン面接にどう対応するば良いかといったテクニカルな問題が就職の話題になっています。しかし、本当に厳しい状況になると思われるのが大学3年生以下です。該当している学生はすでに気付き始めているでしょう。

私は1年ほど前に大学1、2年生と会って話をする機会がありました。その時感じたのは、数年後の就職に関して皆さん非常に楽観的だということでした。私は「あなたたちが就職するころは売り手市場が変わっているかもしれませんよ」とやんわり警告しましたが、反応はほぼありませんでした。

1年前には中国経済がすでに曲がり角に立ち、米中対立が世界経済の不安定要因になっていました。様々な批判があってもアベノミクスが今までの好調な就職状況を支えてきたことは確かです。世界経済の動向が見通せず、アベノミクスの行方が分からない2、3年後に不安を抱かない学生の気持ちが私には理解できませんでした。

ポジティブと楽観という言葉には大きな違いがあるように思います。

ポジティブには何らかの明確な意思と根拠が感じられます。一方、楽観は根拠がなく単なる自分の希望にすぎないように思えます。

ポストコロナの就職状況についてはマスコミもまだはっきりと伝えていません。誰も正確なことは言えないからです。しかし、そのとき就職に臨む学生たちはすでに自分たちが置かれる厳しい状況を認識しているはずです。

就職不安が生じることは本人にはもちろん、世の中のすべてに悪影響を与えます。仮に売り手市場が変わっても深刻な状況にならないことを願うばかりです。

学生の皆さんには今こそ楽観主義を捨てて、自分に何ができるかポジティブに将来を考えて行動してもらいたいものです。

つながり

コロナ禍に見舞われて今までには無かった不安を感じたりストレスを感じている人が増えているのではないでしょうか。

そんな中、人と人のつながりをますます求める時代になっています。

 外出自粛を要請されたときに、それでも都心のカラオケに出かけた若い女性がテレビのインタビューに答えたコメントが印象的でした。女性は「コロナは怖いけどそれよりも友だちと一緒にいたかった」と語りました。

 当時、若者は感染リスクが低いので無謀に外出していると非難するメディアもありました。でもインタビューに答えた女性は感染リスクを無視していたわけではありません。それよりも友だちとのつながりの方が大事だったのです。

 人が生きていくうえで他人とのつながりは無くてはならないものです。不安やストレスを感じる時ほど、つながりを求めるものです。でもつながりを求めるあまりに自分の命を危険にさらす場合もあるのです。学校や職場でイジメや嫌がらせに遭ってもまだ友人や同僚とのつながりを求めてしまって自分を苦しめる人が数多くいるように思えます。

 つながりは実は厄介なものでもあります。日本では周りの人仲良くしなさい、自己主張は控えて周りと協調しなさいと教えられます。しかし、それはいつも当てはまる真実ではありません。自分が危険にさらされている時には、つながりを一時的にでも断ち切って、新たなつながりを探す必要があるのです。

 家族、恋人、友人、同僚でも時に自分を傷つける存在になることがあります。それまでの愛情や友情が強ければ強いほど、断ち切るのが難しいでしょう。つながりは今まで自分が知らなかった世界にもあるかもしれません。出会いアプリなどに安易に頼るのは禁物ですが、自分を救ってくれる存在は案外すぐに見つけられるものです。

 今のつながりが本当に自分に不可欠なものかどうか一度見つめ直してはいかがですか。